赤ちゃんの体は大人より抵抗力が弱く、かかってしまうと重症化してしまう病気がたくさんあります。それだけでなく、後遺症が残ったり、時には生命に関わることも。だからこそ予防接種が大切なのです。
定期接種とは、予防接種法に基づいて国が奨めているものです。公費負担で原則無料で受けられるものなので、定期的に受けて、赤ちゃんの健康を守ってあげましょうね。
国が奨める定期接種は、「ポリオ」「DPT」「麻疹・風疹混合(MR)」「BCG」「日本脳炎」の5種類。ワクチンの接種方法と種類をはじめ、どういったワクチンなのかを解説していきましょう。
①ポリオ(経口/生ワクチン)
生後0〜6カ月の間に接種し、ポリオと呼ばれる小児まひ(急性灰白髄炎)を予防します。重症化すると手足にまひが残ることがありますが、日本においては2000年に根絶宣言が出されています。
②DPT(注射/不活化ワクチン・トキソイド)
第一回目を生後3〜12カ月の間に(3〜8週間おきに3回)、第二回目を追加接種としてその1〜1年半後に、第三回目を小学校6年生のときに接種します。ジフテリア(D)、百日ぜき(P)、破傷風(T)を予防するのが目的です。
③麻疹・風疹混合(MR)(注射/生ワクチン)
第一回目を生後1歳〜1歳11カ月までの間に、第二回目を小学校就学前の1年間に接種します。麻疹は赤ちゃんがかかると重症化しやすく、風疹は妊娠中の女性がかかると胎児に先天性心疾患や難聴などの悪影響が及ぶので予防が必要です。
④BCG(スタンプ式/生ワクチン)
生後6カ月未満で1回接種し、結核を予防します。一時期、結核患者は少なくなりましたが、再び増加傾向にあるので定期接種で対策を万全にしたいですね。
⑤日本脳炎(注射/不活化ワクチン)
3歳時に2回(6〜28日の間隔を空けて)、その後1年の間を空けて追加で接種します。蚊を媒体として感染する日本脳炎は、高熱や頭痛、嘔吐、けいれんなどの症状を引き起こし、重症化すると脳炎や神経の後遺症などを残す場合があります。
予防接種を受けるには、スケジューリングが大切です。というのも、かかると重症化しやすい病気や日本で患者数が多い病気の予防接種を、優先的に受けたいから。また、生ワクチンの接種後は他の種類のワクチン接種まで28日以上空けなければならなかったり、不活化ワクチンやトキソイドでも7日以上空けないといけなかったりと、日程調整は意外と難しいものなのです。
0歳児ではDPTやBCGを、1歳児ではMRを優先的に。BCGやポリオなどは、自治体によっては集団接種を行なっているところがあります。その機会を逃すと次回まで期間が空くこともあるので、まずは集団接種のスケジュールを基本にすると、予防接種の予定を立てやすいかもしれませんね。